簿記1級

税理士を目指したいけど、受験資格が無い!高卒で最短合格した例を紹介

いつき
ご覧頂きありがとうございます、簿記講師の「いつき」です。

日商簿記1級や、全経上級を目指す人の中には、将来税理士を目指している人も多いです。

税理士は「受験資格」が必要なため、受験資格が無い人はまず受験資格を得る必要があります。

私も簿記講師として「税理士を目指すために簿記の勉強を始めた人」という方を、多く見てきました。

この記事では、高卒で税理士にスピード合格した人を例に「税理士の受験資格を得るまで」「スピード合格のポイント」を紹介します。

 

高卒で税理士にスピード合格した人の紹介

今回は、本人に了承を得て、仮名(K君)でプロフィールと合格するまでの道のりを紹介します。

K君は「簿記2級の勉強から開始して税理士試験に5年で合格した、高卒男性」です。

「スピード合格と言いながら、5年って…長いじゃん!」

と、思いましたか?

簿記講師として、税理士を目指すために簿記の学習を始めた人を多く見てきましたが、途中で挫折する人も沢山います。

税理士試験だけでも5科目あり、1年に1科目ずつ確実に合格しても、税理士試験だけで5年かかります。

ましてや、受験資格が無い方は、その前に日商簿記1級や全経上級を取得するか、実務経験を積む必要があります。

その中で「簿記2級からスタートして税理士試験に5年で合格する」というのは、最短での合格と言えるでしょう。

高卒で税理士合格した男性のプロフィール

 

高卒で税理士合格!K君のプロフィール 

  • 商業高校を卒業
  • 高校卒業後、22歳まで営業職として働く
  • 退職後、職業訓練に通い簿記2級を取得
  • 職業訓練後、アルバイトをしなが税理士の講座を受講する。
  • 2012年に税理士試験 合格

 

税理士の受験資格を得るため、簿記2級からスタート

K君は高校を卒業後、職業訓練の簿記2級コースを受講します。

実は、この簿記2級コースを担当していたのが私です。

商業高校の時に簿記の勉強をしていたK君は、再勉強して日商簿記の資格を取り直し、会計分野で働きたいという希望を持っていました。

色々と相談に乗りながら、税理士や公認会計士の道があることも提案し、K君は税理士を目指すことにしました。

しかし、K君は高卒で受験資格もありません。

受験資格を得るためには、「日商簿記1級」または「全経上級」の資格を取得するか、転職して数年の職歴を積む必要があります。

K君は「日商簿記1級」または「全経上級」の資格取得を目指すことにしました。

職歴を積んで受験資格を得る方法は時間がかかってしまうデメリットがあります。

また、税理士の試験の一部(簿記論・財務諸表論)と日商簿記1級の試験内容が被るメリットがあるため、受験資格を得るために簿記の資格取得を目指す方は多いです。

簿記2級と並行して、簿記1級の勉強をスタート

職業訓練は「簿記2級コース」でしたが、並行してK君は日商簿記1級のオンライン講座を受講することにしました。

日商簿記1級(全経上級)を最終目標として考えていたので、並行して学習を進めたことも、K君が短期合格した決めてだとおもいます。

この時に「簿記1級の講座はどれが良いか?」とK君に相談を受けて、すすめた講座は「ネットスクール 日商簿記1級講座」です。

簿記1級のおすすめ講座は、「簿記講師が教える、日商簿記1級を目指すなら、学校はこの3択!!」の記事でも詳しく紹介しています。

 

簿記2級と簿記1級を同時受験!

職業訓練に通っている間に、簿記試験がありました。

K君の簿記2級の実力は充分でしたが、簿記1級の勉強は、まだ始めて3ヶ月程度。全然合格ラインには達していません。

しかし、K君は簿記1級と簿記2級を同時受験しました。

日商簿記1級と簿記2級は同じ日に開催されますが、時間が違うため同時に受験することができます。

結果は簿記2級は高得点で「合格」、簿記1級は全く及ばずに「不合格」でした。

K君がこの時に簿記1級を受験したのは、合格することが目的では無く、簿記1級の試験の流れや会場の雰囲気、試験レベルを体感したかったそうです。

簿記1級の受験料は7710円と決して安くはありませんので、皆さんにお試し受験をおススメするわけではありませんが、K君が実際に簿記1級に合格したときは落ち着いて受験出来たそうです。

簿記1級に合格後、バイトしながら税理士試験にチャレンジ

職業訓練を卒業後、しばらく勉強に専念し、勉強開始から1年後に日商簿記1級を取得。

K君は無事に受験資格を得ることが出来ました。

アイルバイトしながら税理士試験にチャレンジ

税理士試験は科目が多く、数年の長丁場になります。

専門学校に通って勉強に集中出来れば、1年に2科目(または3科目)のペースで学習することもできます。

しかし、社会人が税理士を目指す場合は、働きながら「1年に1科目受験」のペースでチャレンジする人が多いです。

K君も、簿記1級の資格取得が認められて税理士事務所に就職することが出来ました。

正社員の話もあったそうですが、勉強を優先するためアルバイトとして勤務することになりました。

税理士試験に合格、3年後に独立開業

2012年に税理士試験に合格後、引き続き税理士事務所に正社員として勤務しつつ経験を積んだK君は、現在は自分の税理士事務所を抱えて奮闘しています。

スピード合格のポイント!全経上級を狙うがおすすめ

税理士の受験資格を得るために「日商簿記1級」または「全経上級」を目指す方が多いです。

日商は「日本商工会議所」主催の簿記検定、全経は「全国経理協会」主催の簿記検定です。

 

日商簿記1級の方が全経上級よりも、圧倒的にメジャーな資格で教材や講座も豊富なことから、日商簿記1級を目指す方がほとんどです。

ただ、全経上級の方が、日商簿記1級よりも合格しやすいんです。

近年10回分の日商簿記1級と全経上級の合格率を比較してみましょう。

 合格率実受験者数合格者数
日商日商1級9.6%85,999人8,215人
全経上級17.4%22,888人3,978人

データの通り、全経上級の方が、日商1級よりも倍近く合格しやすいです。

税理士の受験資格を得ることは、税理士に向けての最初の一歩です。

ここで戸惑ってしまえば、先の長い税理士試験への道のりがさらに遠のいてしまいます。

そのため、日商1級ではなく全経上級に照準を当てて目指すのも、賢い選択と言えます。

以前は全経上級に照準を当てた教材や講座がほとんど無かったのですが、現在はネットスクールにて、全経上級 講座も開校されています。

最短合格を目指し、全経上級はオススメです。

また、私が全経上級に合格したときの体験談を「全経上級に受験・合格したときの記録と勉強法。過去問対策は必須!」で紹介していますので、参考になれば幸いです。

税理士資格を取得すれば、独立開業後に努力次第で高収入も夢ではありません。

税理士試験の受験資格を得て、夢の一歩をスムーズに踏み出せることを願っています。

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